【海外メンバーインタビュー】“J-POPオタク”ד海外”の視点で、J-POPと世界をつなぐ。「J-POPは届いていない」、その課題を自ら解決し、日本と世界の架け橋に。
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- 7月25日
- 読了時間: 13分
更新日:7月31日

今回はインドネシアで働いている海外メンバー、Yohana Hoetamaさんのインタビュー記事です!
日本のアニメや音楽がきっかけで日本が好きになり、大学は日本語学科を卒業。しかし、日本語を活かす仕事を夢見ながらも、その機会はなかなか巡ってこなかった。
そんなYohanaさんは偶然グリッジと出会い、現在は日本の音楽の”ファンの視点”と、海外メンバーならではの”グローバルな視点”を活かしながら、J-POPのグローバル展開を支えています。
海外で生まれ育ち「日本のコンテンツは全然海外に届いていない、もっと届けたい」と思われている方は、とても共感できる内容になっているかと思います。
日本のエンタメ企業で働きたいと思われている海外出身の方はもちろん、グリッジのグローバルな環境に関心のある日本の方も、ぜひ最後までご覧ください。
目次
日本の企業で働く機会がなかった、大学卒業後の5年間。
仮面ライダーやボカロなどをきっかけに、日本の音楽を知る。
インドネシアで育った強みを活かして、日本のアーティストの海外展開を支援。
“各国のオタク”が集う、フラットなグローバル組織。
日本の企業で働く機会がなかった、大学卒業後の5年間。
▍グリッジに入社する前はどういった仕事をされていましたか?
さまざまな会社で働きましたが、グリッジの前に働いていた会社はシンガポールの会社で、ECサイトの運営などしていました。
そこで私はカスタマーサポートを担当していました。
当時も私はジャカルタに住んでいたので、リモートで働いていました。
▍日本とはまったく関係のない仕事だったんですね。それ以前には仕事を通して日本語を使うなど、日本との繋がりはありましたか?
大学が日本語学科を専攻しており、2018年にインドネシアの大学を卒業したのですが、卒業後は、フリーランスとして日本語を教える家庭教師などをしていました。
企業に就職をして日本語を使いたいと思っていたのですが、なかなかそういった仕事がなく、2020年くらいまでフリーランスとしていろいろな仕事をしていました。
▍フリーランスを経て、初めて入社された会社はどういった会社だったのですか?
メディア運営などを行っているインドネシアの大手企業です。
日本語を使える仕事を探していたのですがなかなか見つけることができず、「とりあえず就職してみよう」という気持ちで入社しました。
インドネシアのニュースやイベントなど、色々なジャンルについて英語の記事を配信しており、私は記事作成を担当していました。
▍その後に入社されたのが、シンガポールのEC系の会社ですか?
そうです。
インドネシアの企業で働いていた頃は、通勤時間がとても長く大変だったので、リモートで働きたいと思い転職をしました。

▍その後、どのような形でグリッジと出会うのでしょうか?
確か2年前(2023年)だったと思います。
まだシンガポールの会社で働いていましたが、仕事があまり忙しくなく時間が空いていたので、アルバイトを探してみようと思いました。
そのときに偶然、大学の日本語学科で一緒だった友人から「こういう仕事があるよ」と紹介してもらいグリッジを知りました。
日本語力にすごい自信があったわけではなかったのですが、求人に「日本語が分からなくても大丈夫ですよ」と書かれていたので、「挑戦してみよう」と思ってエントリーしました。
仮面ライダーやボカロなどをきっかけに、日本の音楽を知る。
▍グリッジにエントリーしようと思ったのは、「日本の企業だから」という理由が大きいですか?
そうですね。
大学で日本語を学びましたが、日本語を使う機会がなかったのでもったいないと思っており、「日本語をもう一度ブラッシュアップしたい」と思いました。
あとは、私自身”オタク”ですから、グリッジのやっている「日本の音楽を世界に」という事業にも興味がありました。
▍オタクなんですね!大学で日本語を学ばれていたということから、高校生の頃から日本のコンテンツが好きだったのでしょうか?
アニメはもちろん、アニメの曲も好きでした。
幼稚園の頃に叔父さんから「仮面ライダー」を紹介されて、「これはかっこいい!」と思って好きになりました。
それをきっかけに、叔父さんから「こういうアニメも好きだと思うよ」と日本のアニメをいくつも紹介してもらいました。
ただ、日本のアニメや音楽は海外に向けて配信されていなかったので、見つけるのは大変でした。
なので、日本のコンテンツを海外に向けて展開していくというグリッジの事業には興味がありました。
▍高校生の頃は日本のどんなコンテンツに興味がありましたか?
「ボカロ」ですね。
偶然YouTubeで見つけて「これはなんだろう?」「人の声とは少し違うな?」と思いながら聞いていました。
すると「懐かしいな」と感じる曲だったり、「メロディーが面白いな」と思う曲があって、調べていくと日本の曲であることが分かりました。
そこからニコニコ動画とかで日本の音楽やアニメを見るようになりました。
誰かが翻訳をして字幕を付けてくれている動画も多かったので、歌詞の意味なども理解できました。
日本の企業は海外向けに発信してくれていなかったので、誰かがアップロードしたものをずっと見ていました。
▍当時から日本のエンタメ企業の課題をなんとなく感じていたわけですね。当時はどんなアニメを見ていましたか?
ナルトですね。
高校の時は『NARUTO -ナルト- 疾風伝』がちょうど始まったタイミングでした。
あとは、名探偵コナンですね。
▍その後、日本に行ったことはありますか?
大学3年生の時に留学で行きました。
約1年間、和歌山県の日本語学校に通っていました。
大阪の日本橋などにも遊びに行きました。

▍日本での留学生活はどうでしたか?
楽しかったです!
ただ、慣れないといけないことも多く、特に気温に慣れるのが大変でした(笑)
ジャカルタは基本的にずっと暖かいので、日本はとても寒かったです。
マイナスの温度を経験することがないので、マイナスになった日はとても大変でした(笑)
インドネシアで育った強みを活かして、日本のアーティストの海外展開を支援。
▍グリッジでは最初はどういった仕事をしていましたか?
歌詞の翻訳がメインですね。日本語から英語とインドネシア語への翻訳を担当していました。
あとは動画制作、KOLマーケティング(※)の簡単なディレクションなども担当していました。
※KOLはKey Opinion Leaderの略称です。いわゆるインフルエンサーの方と協力して商品やサービスを宣伝するマーケティング手法を指します。
▍その後、正社員になりたいと思ったのはなぜですか?
ずっとやりたかった日本語を使う仕事ができるということと、あとは、自分が好きだった日本のアーティストが裏側でどういったことを実施しているのかを知ることができて、とても楽しかったからです。
また、グリッジはとてもフラットで、変な上下関係がないのも良かったです。
日本企業だと上下関係が厳しいところが多かったり、あまり意味のない飲み会とかも多いイメージがありましたが、そういうのが全くなかったです。
▍正社員になったのはいつ頃ですか?
去年(2024年)の7月です。
アルバイトとして入って約1年後のタイミングです。
▍正社員になられてからはどういった業務を担当されてきましたか?
KOLマーケティングに関する業務がメインです。
あとは、日本のアーティストがインドネシアでコンサートやフェスを行う際には、現地のアテンドとして通訳などのサポートを行っています。
▍KOLマーケティングについて、具体的にどういった業務を担当していますか?
日本のアーティストが楽曲をインドネシアでプロモーションしたい場合に、相性の良いKOLの方をピックアップして、提案書を作成してクライアントに提案を行います。
KOLの方からも承諾を得た場合は、アーティストや楽曲の特徴などをKOLの方に共有して「どのようなプロモーションが可能か」といったことを一緒に考え、実際にコンテンツ(動画)を作成してもらいます。
作成していただいた後は、中身をチェックして問題がなければ投稿をしてもらう流れです。
▍これまで例えば、どんなアーティストのプロモーションに関わりましたか?
日本でも世界でもすごい人気のあるアニメの主題歌を歌われているアーティストのサポートなどを行いました。
その方はインドネシアでライブを開催されたので、当日のサポートも担当しました。

▍KOLマーケティングのディレクションについて、どういった点が特に難しいと感じますか?
まずは言語の違いですね。
例えば、中国やベトナムのKOLの方とやり取りをする際に、KOLの方が英語を話すことができず、私も現地の言語が話せない場合は、やり取りをするのが難しくなります。
ただ、最近はChatGPTなどを上手く使うことでなんとか対応はできています。
あとは、文化の違いです。
日本の場合はKOLの方とやり取りをする場合でも、敬語や丁寧語をきちんと使って、ビジネスっぽいやり取りをするじゃないですか。
でも、例えばインドネシアでそういったコミュニケーションは違和感があります。
▍インドネシアだとどういったコミュニケーションが自然なのでしょうか?
友達とするような、ラフなコミュニケーションが自然です。
そういうやり取りの方がスピーディーに進めることができます。
▍インドネシアで生まれ育ったYohanaさんだからこその強みを活かすことができているわけですね。
“各国のオタク”が集う、フラットなグローバル組織。
▍グリッジで働いて2年が経ちますが、振り返ってみて、どういった点で楽しさを感じますか?
まずは先程も話しましたが、フラットな組織という点ですね。
大学で日本について学んでいく中で、上下関係について厳しいようなイメージがありましたし、大学の友達でインドネシアにある日本企業で働いている人もいますが、話を聞いていると、とても上下関係が厳しいです。
グリッジはフラットな組織なので、とても働きやすいなと思います。
あとは、日本のアーティストに直接会うことができて、アーティストのステージを生で見ることができるのは、本当に楽しいです。
当日はとても忙しいですが、無料でライブを見ることができるのはとても嬉しいです(笑)
グリッジに入る前から大好きだったアーティストのライブを見ることができた時は本当に楽しかったです。
▍好きなことに関わることができているので、「趣味」の延長線上として楽しむことができているわけですね。ちなみに、リモートで海外から働くことの難しさはありますか?
それはないですね。
もともとリモートで働いていて慣れているからだと思います。
ただ、一回は日本で皆に会いたいなぁと思います。
▍海外で働かれている人も多く、リモートでもなかなか時間が合わないと聞いています。柚木さんもインタビューの中で「日本で皆と会いたい」と言っていました。(柚木さんのインタビュー記事も近日公開。)
そうですね。
お隣のフィリピン、あとは、アメリカ、ブラジル、韓国、中国など、色々な国の人が働いています。
早く日本で集まりたいですね。
柚木さんが開催してくれることを期待しています(笑)
▍今後グリッジで挑戦してみたい、やってみたいことはありますか?
日本に行って、皆に会いたいですね。今はそれだけですかね(笑)
色々な国の人と協力しながら行う日々の仕事はとても楽しいです。なので、いつも一緒に働いているグリッジのメンバーと会いたいなと思います。
グリッジのオフィスは東京にあるので、冬の寒さと夏の暑さに耐えられるか少し心配ですが、2週間くらいなら耐えられそうです(笑)
▍普段から良いチームワークを発揮しており、関係性が良いからこそ、そこまで強くリアルで会いたいと思えるんだなと思いました。
そうですね、海外メンバーと協力することはとても楽しいです。
皆さんそれぞれ異なる文化を持っており、いろいろな経験をしているので、皆さんの意見を聞くのはとても面白いです。
教科書では学ぶことができない、経験に基づいた話を聞くことができるので、とても勉強になります。

あと、今後の楽しみで言うと、日本の音楽をより多くの国に届けていくことにはとてもワクワクします。
私たちもそうですが、日本の音楽業界の多くの人はK-POPのグローバル展開を見て、「自分たちもK-POPのようにグローバルで人気を獲得したい」ということを仰っています。
実際、K-POPと比べるとJ-POPはまだまだグローバル展開ができる伸び代がありますので、もっとグローバルに展開していきたいですね。
▍Yohanaさんのような海外メンバーがいるからこそ、質の高いグローバル展開のサポートができていると言えるかと思います。
インドネシア人である私からすると「当たり前」のことでも、日本人からすると「当たり前ではない」ということもあります。
日本で上手くいったプロモーションがあったとしても、同じことをインドネシアでやっても上手くいかないことも多いです。
そういった場合に私は「こういう理由でインドネシアではうまくいきません。インドネシアの人はこういうことの方が好きですよ」とアドバイスをすることができます。
▍例えば、どういった事例がありますか?
分かりやすい例だと、日本では顔を出さない「覆面アーティスト」と呼ばれる人たちがいますが、インドネシア人は「なぜ顔を出さないの?」と違和感を抱きます。
インドネシア人は、ファンとの交流イベントや生のライブなどを実施してくれるようなアーティストを好み、アーティストとの距離の近さを求めます。
ですが、日本人は文化的にシャイな人が多かったり、あとは完璧を求めますが、インドネシアだとそういったものは求められていない場合が多いです。
なので、顔出しをしていないアーティストが、公式的な完璧なコンテンツばかりを発信していると、少し壁を感じます。
そういった場合には、例えばインドネシアで有名なKOLとコラボ動画を撮影し、動画の中でそのアーティストの人柄がわかるように、あえてラフな雰囲気の場所で雑談っぽく話すような形で親近感が湧くようなコンテンツを配信したりします。
▍最後に、どういった人と一緒に働きたいですか?
私も”オタク”ですが、オタクの人と一緒に働きたいですね(笑)
私達はファンの人に音楽を届けるので、その人たちの気持ちが分かることはとても大切だと思います。
また、自分の好きなことに関わることができるので、仕事もとても楽しいと思います。
日本のアニメや音楽が好きな人にぜひ来てほしいなと思います!
いかがでしたでしょうか?
日本のアニメ・音楽をきっかけに日本を知ったYohanaさん。現在は大好きな日本のアーティストを自国であるインドネシアに展開するサポートなどを行っており、日本の音楽が繋いだこの縁はとても素晴らしいものだなと感じています。
日本のアニメ・音楽をきっかけに日本を知ったYohanaさん。現在は、大好きな日本のアーティストを自国であるインドネシアに展開するサポートなどを行っており、日本の音楽がつないだこの縁は、とても素晴らしいものだと感じています。
Yohanaさんも仰っているように、グリッジにはそういった日本のアニメ・音楽のファン、つまり“オタク”である海外メンバーがたくさんおり、グローバルな視点を持った海外メンバーがいるからこそ、グリッジのサービスが成り立っていると言っても過言ではありません。
そして、グリッジがさらにグローバルに事業を展開し、より多くの世界中の人々に日本の音楽を届けていくためには、このグローバルチームをさらに強化していく必要があり、現在メンバーを募集しています。
Yohanaさんのインタビューを通して、
「私も同じことを感じていた。自国に日本のコンテンツは十分届いておらず、もっと届けたい」
「フラットでグローバルなグリッジのチームの一員になり、日本の音楽をより海外に広めていきたい」
そう思われた方は、ぜひお気軽にエントリーいただければと思います。
業務委託・正社員・学生インターン、様々な形で仲間を募集しております。
もちろん、日本のメンバーも募集していますので、グリッジのグローバルチームに参画し、グローバルに仕事をしていきたい日本の方も、ぜひご応募ください。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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